インディーズゲームは何故完成しないのか

http://www.inside-games.jp/news/350/35072.html


こんな記事を見つけてから1か月以上経ってしまいましたが、私なりの考えをまとめておこうかと思います。
基本的に上記の見出し毎に書いていきます。


■完成までのモチベーションの維持について
好きで作っているはずなのに、何故かモチベーションを維持できないのはよくあることです。
作り始めたら「思っていたよりおもしろくない」とか飽きてしまうのは日常茶飯事。
更に、「こういうものを作りたい!」という熱い想いがあったとしても、技術が追い付かないことも非常に多いわけです。
プログラムが組めない、絵が描けない、音楽が作れない等々。
ある程度は無料の素材でカバーできるものの、プログラムはどうしようもないです。
自分で組めなければ誰かに頼むか諦めるしかないのですから。
拙作のSNECシリーズのようにゲーム制作ツールも多く出回っていますが、自由度の面では厳しいものがありますし、自由度が高いツールの場合、プログラムを組むのと同じくらい難易度が高かったりもします。
そして、基本的に趣味ですから、使える時間や予算も限られています。
こういう状況下でモチベーションを保つのは容易なことではありません。
グループで作る場合は更に大変で、必ずしも全員がモチベーションが高いわけではありません。
「自分はこんなゲーム作りたいわけじゃないのに」とか「自分だったらこう作るのに」とかフラストレーションが溜まることも多いでしょう。
今の時代、プロでゲーム業界にいても作りたいものが作れるわけではありませんし、インディーズで個人で作りたいものを作っている方も散見されます。
規模にもよりますが、完全に個人製作でやってしまうのが楽は楽なのでしょう。


■サークルとしての共同作業について
私個人の経験から書くと、記事にあるような絶対的な権限を持った人物は必須です。
複数で考えるのですから、考えが同じになるわけがありません。
一番良いのは絶対的な権限を持った人が自分自身の明確な青写真を持っていることです。
そこがぶれさえしなければ、迷走することはなくなるはずです。
そして、細かい作業毎にしっかりとスケジュールを立てることです。
これは無理な作業を強いるのではなく、ある程度ゆとりを持たせて構わないです。
大事なのは一つ一つの締め切りを守ること、確実に前進することです。
完成度が上がれば、モチベーションも上がります。


フリーゲーム、同人ゲームの情報サイトについて
過去には色々と有名な情報サイトが閉鎖したりもしました。
インディーズゲームのトップクラスは商業ゲームへシフトしていくものすらある現状ですが、その逆はどうでしょう。
安易な「ゲームという名のゲームではないもの」が氾濫してもいるのです。
オンラインソフトの登録先としては最もメジャーなベクターをチェックしてみると、次々に新作ゲームが登場しています。
たまに気になるゲームを物色してみると、首を傾げてしまうことがあります。
自分の作品を棚に上げて辛口に言うと「よく公開する気になったな」というレベルのものも少なくないのです。
また、情報サイトを運営しているのは一般の方の場合が殆どです。
限られた時間の中で膨大な新作のチェックをしていくのは限界があります。
一方、企業が運営している場合、ゲームの登録にお金がかかってしまうのが一番のネックです(ベクターは無料ですが)。
基本的に作者が自分で登録するわけですから、面白いゲームが集まっているとも限りません。
私自身は良いアイディアが思いつきませんが、何か違うスタイルの情報サイトが必要なのは間違いありません。


■ゲームの規模感について
大作インディーズゲームが商業ゲームやアニメ、映画とマルチ展開を見せる昨今。
大昔のアドベンチャーゲームが「原稿用紙○○○枚のシナリオ!!」と謳っていたのを思い起こさせます。
長い尺であれば、起伏に富んだ、人物描写に力を入れたシナリオも実現出来るのは分かるのですが、果たして何十時間もかかるゲームを最後まで遊べる人がどれだけいるのでしょうか。
以前の私は会社から帰るとご飯を食べながら深夜のバラエティー番組一本を見るのがようやくという程時間がありませんでした。
そんな状況では「プレイ時間○0時間!!」と書かれたゲームを遊ぶ気にはなれません。
本当に中身があるなら、「プレイ時間が短いから満足出来ない」ということはないはずです。
例えば、商業ゲームですが『バイオハザード5』は前作と比較すると半分にも満たない短さだと思うのですが、大迫力の演出やオンライン協力プレイ・対戦プレイの魅力で最高に満足できました。
要は作り込みの凄さに圧倒されたのです。
(実際「大作」ゲームであり、数百人規模で制作しているので、そういう意味では規模が大きいのですが)
私も記事にあるように、長くて満足できるより、短くても満足できるのが理想だと思います。
ゲーム以外の良い例が映画ではないでしょうか。
2時間にギュッと凝縮された面白さは時間のない社会人でも無理なく楽しめるのですから。
プレイ時間2時間のアドベンチャーゲームサウンドノベルでも十分満足のできるゲームは作れると思っています。


さて、私なりに書き連ねてみましたが、皆さんはどうお考えですか?


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