人生の分岐点

今日はセンター試験1日目でしたね。
実は私も以前受けたことがあります。


高校時分、私は公務員になるつもりで、学校でも公務員受験の講義を熱心に受けていました。
昔から計算が得意だったので、適正試験の模試はいつもほぼパーフェクトに近い出来で、それが自信に繋がり、一般の試験の勉強にも身が入りました。
その甲斐あってか、国家Ⅲ種に合格することが出来ました。
後は出勤開始を待つのみとなっていたのですが、その時人生の分岐点が訪れました。
癌で入院していた祖父が末期症状になってしまったのです。
祖父は自分で会社を経営していましたが、後を継がなくてはならなくなったというわけではありません。
癌が進行し、声さえ出せなくなってしまった祖父が震える手で「大学」と書いたと聞かされました。
私達には祖父が何を言わんとしているのか、すぐに分かりました。
私に「公務員にならず、大学へ行け」と言いたかったのです。
家族とも話し合い、自分でも考えに考え結論を出しました。
大学へ行こうと。
しかし、公務員受験用の勉強しかしていなかった私に、5科目受けなければならないセンター試験は酷でした。
結果は惨敗。
私立を受けるに当たって、科目を絞ることを考えました。
得意な英語と国語だけで受験できる学部……英文科を受ける方針を固めました。
かなり健闘したものの、結局合格できたのは滑り止めの一校のみでした。
入学してからは英語の講義のレベルの低さに辟易とし、カラーが違い過ぎるクラスメイトとも馴染めず、詰まらない大学生活で終わるところでした。
唯一の救いは親友と呼べる友との出会いでした。
いえ、それ以上のことはないでしょう。
出会いこそ人生の宝。
大学を卒業して一般企業に就職してからも、出会いに恵まれました。
良い仲間、良い先輩、そして恋人と呼べる人……。
もし、あの時、公務員になっていたら、それらの人達に会うことは無かったのだと思うと恐ろしくなります。
仕事として比較すると、今の仕事よりは公務員の方がいいのかもしれません。
しかしながら、公務員になっていたら、良くも悪くも起伏の激しいこの人生は味わえなかったでしょう。
ここでこうして文章を書いていることもなかったのかもしれません。
今なら祖父が言いたかったことがなんとなく分かる気がします。


人生は選択の連続です。
その選択が正しかったかどうかは、すぐには分からないものです。
ずっと後になってから初めて見えてきます。
ただ、自分で可能性を否定したら、自分を信じられなかったら、選択する機会すら奪われることもありえます。
頑張ったから必ずしも報われるわけではないのが人生ですが、自分を信じて自分の可能性を追求しなくては、面白くないではないですか。
だから、受験生のみんな、自分を信じて最後まで頑張れ!!