宮崎アニメ

ハウル』はまだ観ていない私ですが、近年の宮崎アニメはだんだんマニアックになっているという声があり、私もそれには同感です。
最初の頃の作品は「冒険活劇」が多く、それが氏のカラーだったような気がするのですが、『もののけ』はまだいいとして(一応冒険活劇のカテゴリだろうという意味で)、『千と千尋』はちょっと異種だよなと思ってました。
元々テーマ性が強い作品が多い方だとは思いますが、なんだか『千と千尋』はフェアリーテールだなと感じました。
主人公は言ってみれば全然活躍せず(自分が剣や銃を使って戦わないという意味で)、不思議な国に迷い込んで、なんとか元の世界に戻れるという図式は『不思議の国のアリス』に代表されるようなフェアリーテールそのものじゃないでしょうか。
私の勝手な想像なんですが、誰しもが認めるクリエーターになった今だからこそ、無名の監督が作っても(商業的に)見向きもされない類の設定、というか、本来描きたかった設定に挑戦しているのではないかなと。
テーマ性を全面的に打ち出した映画だと、見た目が派手な映画に比べて集客面では厳しいような気がしますが、「宮崎監督の映画」だというブランドがあれば話は別で、今であればどんなマニアックな内容でも大ヒットするのではないかと思います。
ただ、観客側が宮崎監督の意図しているところをしっかり理解しているのか心配でもありますし(私含む)、また、観る側がマニアックになりすぎていたとしてもどうなのかなあとも思ったりして複雑です。